費用系

防衛医大・自治医大・産業医大の学費と返還条件

防衛医大・自治医大・産業医大の学費を公式情報で比較。授業料不徴収、自治医大2,300万円貸与、産業医大6年実質1,129万6,800円と返還条件を整理します。

編集部 監修者元 医学部専門予備校 運営スタッフ
公開 2026-05-17更新 2026-08-11読了 14
3校の学費比較
実質負担と返還条件
この記事の要点
  • 防衛医大:入学金・授業料等を徴収せず、学生手当は月16万1,000円。卒後勤務9年未満の離職は償還対象
  • 自治医大:学生納付金等2,300万円を全員に貸与。通常9年の指定勤務等で返還免除
  • 産業医大:2026年度の6年実質負担は1,129万6,800円、修学資金貸与は1,919万3,200円
  • 3校を「学費無料」と一括りにしない:授業料不徴収、貸与契約、自己負担+貸与という別制度
  • 「離脱違約金」も一律ではない:防衛医大の償還金と、2大学の修学資金返還を分けて確認
  • 出願前は原本6点を保存:募集要項、学費、契約、返還規程、対象職務、研修・猶予条件

防衛医大・自治医大・産業医大の学費支援とは、同じ「学費を抑えられる医学部」でも、授業料を徴収しない制度、学生納付金を全額貸与する制度、自己負担と貸与を組み合わせる制度に分かれます。負担額だけでなく、卒業後の返還免除条件まで別々に確認する必要があります。

結論:防衛医大は授業料不徴収、自治医大は2,300万円貸与、産業医大は実質1,129万6,800円

学費負担だけを見ると、3校は似た選択肢に見えます。しかし、在学中のお金の流れと卒業後の条件は別制度です。防衛医大は学生が防衛省職員となり、入学金・授業料等が徴収されず手当を受けます。自治医大は学生納付金等を修学資金として借り、指定勤務で返還免除を目指します。産業医大は自己負担を納めながら、残りの一部を修学資金として借ります。

防衛医大・自治医大・産業医大の学費支援比較
学校在学中の負担手当・貸与主な返還免除条件
防衛医大入学金・授業料等を徴収しない学生手当 月16万1,000円+期末手当年2回卒業後9年の勤務年限を満たす
自治医大入学時に学生納付金等の準備不要学生納付金等 計2,300万円を全員に貸与貸与期間の1.5倍の指定勤務。半分は指定のへき地等
産業医大6年実質負担1,129万6,800円6年の修学資金1,919万3,200円貸与期間の1.5倍の返還免除対象職務

2026年8月10日確認。出典:防衛医科大学校自治医科大学産業医科大学。生活費等を含む総費用ではありません。

防衛医大:授業料を徴収せず、学生手当は月16万1,000円

防衛医科大学校医学科の学生は特別職国家公務員です。入学金・授業料等は徴収されず、被服・食事等は貸与または支給されます。2026年1月1日現在の学生手当は月額16万1,000円、期末手当は6月・12月の年2回です。

防衛医科大学校医学科のお金と償還
項目公式情報確認時の注意
入学金・授業料徴収しない一般大学の給付型奨学金ではなく、防衛省職員としての制度
学生手当月16万1,000円2026年1月1日現在。改定の可能性あり
期末手当年2回(6月・12月)公式の最新支給条件を確認
卒業後の償還勤務年限9年未満の離職で卒業までの経費を償還2025年3月卒業生の最高額例は4,421万円

出典:防衛医科大学校「学生の身分・給与・償還金」

償還額を常に「5,000万円」と固定して説明するのは正確ではありません。公式ページは卒業年ごとの最高額例を示しているため、本人の卒業年、勤務済み期間、最新規程で確認します。

自治医大:2,300万円を修学資金として借り、指定勤務で返還免除

自治医科大学医学部では、入学者全員が修学資金貸与契約を結びます。学生納付金相当額と入学時学業準備費が貸与されるため、入学時にその資金を準備する必要はありません。ただし、貸与契約であり、条件を満たすまでは返還債務がある点が重要です。

自治医科大学医学部の修学資金内訳
費目1年次2〜6年次6年間合計
入学料100万円100万円
授業料180万円各年180万円1,080万円
実験実習費50万円各年50万円300万円
施設設備費130万円各年130万円780万円
入学時学業準備費40万円40万円
貸与合計500万円各年360万円2,300万円

出典:自治医科大学「修学資金・奨学資金」

返還免除には、貸与期間の1.5倍に相当する期間、出願都道府県の知事の意見を聴いて指定する公立病院等で勤務し、そのうち半分を指定のへき地等で勤務する条件があります。2027年度募集でも、出願都道府県は卒業後に一定期間勤務する都道府県になると明記されています。

産業医大:6年間の実質負担1,129万6,800円+諸会費

産業医科大学医学部では、学生納入金の一部が修学資金として全員に貸与されます。2026年度入学生の予定額では、6年間の学生納入金は3,049万円、修学資金貸与は1,919万3,200円、差し引き実質負担は1,129万6,800円です。

産業医科大学医学部の2026年度予定額
期間学生納入金修学資金貸与実質負担
初年度591万5,000円379万7,200円211万7,800円
2〜6年次(各年)491万5,000円307万9,200円183万5,800円
6年間合計3,049万円1,919万3,200円1,129万6,800円

出典:産業医科大学「授業料・入学料」。入学手続時の諸会費・保険料20万7,800円、生活費等は別です。

6年間貸与を受けた場合、貸与期間の1.5倍にあたる9年間、産業医等の返還免除対象職務に従事すると返還免除となります。産業医学振興財団の案内では、2004年4月以降の入学生は、産業医または産業医活動の職務に従事した期間を2年以上含む必要があります。

途中で進路を変える場合:「違約金」ではなく3つの返還制度を確認

3校を共通の「離脱違約金2,000万〜5,000万円」として扱うのは正確ではありません。公式資料では、返還の名称、対象額、利息、勤務済み期間の扱いが異なります。

返還が必要になる場合の違い
学校主な発生条件返還対象確認する原本
防衛医大卒業後勤務年限9年未満で離職卒業までの経費に基づく償還金学生の身分・給与・償還金、受験要項
自治医大修学資金の返還免除条件を満たさない貸与金+所定利率の額を一括返還修学資金貸与契約・規程、都道府県プログラム
産業医大返還免除対象職務・所定期間を満たさない貸与額+貸与利息を含む債務総額修学資金貸与規則・規程、対象職務一覧

出典:防衛医科大学校自治医科大学産業医学振興財団

返還を考える段階では、広告記事や古い体験談の金額だけで判断せず、大学・財団・都道府県へ本人の契約年度を示して照会します。地域枠との比較は医学部地域枠の返還・違約金ガイドで確認できます。

「9年勤務」の中身は同じではない

返還免除に関わる勤務の違い
学校主な立場・対象職務9年の根拠個別確認が必要なこと
防衛医大自衛隊医官医学科の卒業後勤務年限退職時期、勤務済み期間、償還額
自治医大出願都道府県が指定する公立病院等。半分は指定のへき地等貸与期間の1.5倍都道府県別キャリア形成プログラム、研修・猶予
産業医大産業医等の返還免除対象職務貸与期間の1.5倍対象職務、産業医活動2年以上、大学院・修練課程の扱い

3校とも、勤務先や研修の数え方を受験年度の公式規程で確認してください。

出願前に保存する6つの原本

  1. 受験年度の募集要項:出願資格、選抜方式、健康要件、入学確約、都道府県選択を確認
  2. 学生納付金・手当の案内:入学時、毎年、6年間、別途諸会費を分ける
  3. 貸与契約書:借主、保証、貸与額、利率、契約解除を確認
  4. 返還・償還規程:発生条件、一括・分割、勤務済み期間、計算基準を確認
  5. 返還免除対象職務:対象施設、勤務地、必要年数、活動要件を確認
  6. 研修・大学院・休職の扱い:年限への算入、返還猶予、事前承認の要否を確認
比較表へ書き込む数字

「学費」だけでなく、自己負担、貸与、生活費、勤務条件を満たさない場合の返還を別の列にします。貸与を値引きや給付として扱わないことが重要です。

2027年度入試は各校の最新募集要項で確認

2027年度の公式入試案内
学校確認できる最新情報公式ページ
防衛医大出願受付は2026年7月1日〜10月8日、第1次試験は10月24日医学科入試情報
自治医大募集100名。全都道府県で2名または3名を選抜し、出願都道府県は卒業後の勤務先に関係医学部入試案内
産業医大総合型・学校推薦型・一般選抜の募集要項を公開入試要項一覧

2026年8月10日確認。日程・募集人員・認可状況は更新されるため、出願直前に再確認してください。

参照した公式資料

金額・制度・入試情報は2026年8月10日に確認しました。契約時は、本人の入学年度に適用される原本を使用してください。

防衛医大・自治医大・産業医大の学費に関するよくある質問

防衛医大・自治医大・産業医大の学費は本当に無料ですか?
3校で仕組みが異なります。防衛医科大学校の医学科は入学金・授業料等を徴収せず、学生手当も支給します。自治医科大学は学生納付金等2,300万円を修学資金として全員に貸与し、条件を満たす勤務で返還免除となります。産業医科大学は2026年度入学生予定額で6年間の実質負担が1,129万6,800円、修学資金貸与額が1,919万3,200円です。3校すべてを「無料」と表すのは正確ではありません。
防衛医大では学費の代わりに給与が出ますか?
防衛医科大学校によると、医学科学生は特別職国家公務員で、入学金・授業料等は徴収されません。2026年1月1日現在の学生手当は月額16万1,000円で、年2回の期末手当もあります。金額は改定されるため、受験年度の公式ページで再確認してください。
自治医科大学の2,300万円は返さなくてよいのですか?
入学者全員が修学資金貸与契約を結び、学生納付金2,260万円と入学時学業準備費40万円の計2,300万円を借りる仕組みです。貸与期間の1.5倍に相当する期間、指定された公立病院等で勤務し、その半分を指定のへき地等で勤務すると返還免除になります。条件を満たさない場合は、貸与金に所定利率の額を加えて一括返還します。
産業医科大学の6年間の実質負担はいくらですか?
大学公式の2026年度入学生予定額では、6年間の学生納入金3,049万円、修学資金貸与額1,919万3,200円、差し引き実質負担額1,129万6,800円です。入学手続時の諸会費・保険料20万7,800円や生活費等は別です。受験年度の金額を必ず確認してください。
途中で進路を変えたら3校とも違約金が発生しますか?
一律の「違約金」ではありません。防衛医大は卒業後の勤務が9年未満で離職した場合の償還金、自治医大は修学資金と所定利率の額、産業医大は修学資金と貸与利息を含む債務の返還です。名称、計算方法、返還猶予、勤務による減免が異なるため、契約書・規程で個別に確認します。
卒業後の9年間は3校とも同じ数え方ですか?
同じではありません。防衛医大は自衛隊医官としての卒業後勤務年限、自治医大は貸与期間の1.5倍に相当する指定勤務、産業医大は貸与期間の1.5倍に相当する返還免除対象職務です。研修、大学院、猶予、算入対象は制度ごとに異なるため、単に「9年間固定」とまとめないことが重要です。
出願前に何を確認すればよいですか?
受験年度の募集要項、学生納付金、貸与契約、返還・利息規程、返還免除対象職務、研修・大学院・休職時の算入や猶予を確認します。自治医大は出願都道府県のキャリア形成プログラム、産業医大は産業医学振興財団の規則も確認してください。

貸与額と自己負担を分けて6年間の資金表を作る

一般医学部の学費、奨学金、教育ローン、生活費も同じ基準で比較します。

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この記事の監修編集部 監修者

元 医学部専門予備校 運営スタッフ。教室運営・カリキュラム設計に従事した経験から、料金・管理体制のリアルを中立に発信しています。

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