- 大学名ではなく、入試方式ごとの科目・配点表
- 点を落とした理由と、次に試す対策を結ぶ一枚
- 授業や併願校を一つ追加したときの時間・費用の差分
「あと少し」を、どの科目のどの失点かに直す
総合偏差値55を見て、漠然と「全科目をもう少し」と考えると、時間の使い道が決まりません。次に必要なのは、志望する入試方式の配点と、自分が落としている問題を同じ紙に載せることです。
得意科目がある人も、科目間の差が小さい人も、総合値だけでは同じ対策になりません。この記事では、点数が伸びる量を予測せず、限られた時間をどこへ使って結果を確かめるかを決めます。
配点の違いを、計算できる形にする
受験年度の大学公式募集要項で、方式名、科目、配点、選抜段階を転記します。得点調整や段階選抜、面接などの扱いが書かれている場合は、それも別欄に残します。分からない欄を、自分に都合のよい計算で埋めないでください。
下は配点の意味を示す架空の比較です。英語・数学・理科をそれぞれ100点換算で80・45・65点と仮置きしています。実在大学の方式、予測得点、合格可能性を表しません。
| 科目 | 仮の100点換算 | 方式Aの換算 | 方式Bの換算 |
|---|---|---|---|
| 英語 | 80点 | 100点配点 → 80点 | 200点配点 → 160点 |
| 数学 | 45点 | 200点配点 → 90点 | 100点配点 → 45点 |
| 理科 | 65点 | 100点配点 → 65点 | 100点配点 → 65点 |
| 合計 | 190/300点 | 235/400点 | 270/400点 |
この仮定では数学の100点換算が10点変わると、方式Aでは20点、方式Bでは10点変わります。ただし、数学を10点上げられると分かったわけでも、方式Bのほうが受かりやすいと分かったわけでもありません。実際には大学ごとに問題が違います。配点を整理した後、それぞれの過去問を使って自分が力を出せる形式かを調べます。
弱点への時間は、「何点伸びそう」より「何を直せるか」で選ぶ
苦手科目を丸ごと一つの課題にすると、授業を増やす以外の選択が見えにくくなります。失点を具体的にし、短い一単元の取り組みで変化を確かめてから、次の配分を決めます。
| 問い | 答えと次の動き |
|---|---|
| 失点の場所を説明できるか | できなければ答案を講師へ。できれば、前提不足・方針選択・処理のどれを扱うか選ぶ。 |
| 次にする練習が具体的か | 教材と範囲、確認用の問題が決まれば時間枠へ。「数学を頑張る」だけなら小さく分け直す。 |
| 入試で使う範囲・形式につながるか | つながる内容を優先候補に。未習の前提が必要なら、その時間も含める。 |
| 得意科目を維持する枠が残るか | 全部なくなるなら、追加量を減らすか、教材の重複を整理してから始める。 |
架空例:数学の追加授業を決める前に分ける
「数学が苦手」という相談を答案へ戻すと、微分の計算はできるが、文章から変数の範囲を決める箇所で止まっていたとします。この場合は、まず図と条件を書いて範囲を決める練習を試します。数式の計算で毎回崩れる人とは、追加したい支援が違います。
実際に取り組んだ後、未見の問題でも範囲を決められれば次の課題へ移ります。同じ箇所で止まるなら、考えた条件を講師に見せて説明や教材を変えます。配点の大きさを理由に、結果を見ずに授業を増やし続けないようにします。
コピーして使う「次に変えること」シート
- 対象の大学・方式/公式募集要項の年度とURL:
- 対象科目の配点・出題形式:
- 今回落とした単元・問題/止まった理由:
- 変える教材・練習・質問方法:
- 使う時間枠/代わりに減らす作業:
- 確認する日と未見の問題/結果を誰に見てもらうか:
- 結果:次へ進む・同じ箇所を別の方法で扱う・前提へ戻る
これは「何時間で何点伸びるか」を見積もる表ではありません。取り組みの前後で変わった箇所を見つける表です。確認日に成績全体が動いていなくても、狙った条件を読めるようになったなら、その次の処理へ課題を移せます。
予備校は、足りない支援だけ追加する案も比べる
いまの集団授業は合うが、数学の答案を個別に見てほしい。そんな場合は、全面的な転校の前に、現在の学校へ相談する案、単科指導を追加する案、自習と質問を組み直す案を並べられます。
| 確定させる項目 | 判断に使う回答 |
|---|---|
| 何を見てもらうか | 「数学対策」より、途中式の添削・条件の読み取り・未見の類題選定など、対象が具体的か。 |
| いつ返ってくるか | 提出方法、返却時期、次の質問機会が、復習の予定に間に合うか。 |
| 何を減らせるか | 既存教材との重複を減らせるか。授業と課題の追加だけで時間割が崩れないか。 |
| 条件と総額 | 担当者・回数・期間・教材・必須講習・変更条件まで含むか。 |
「偏差値55ならこのコース」という説明を受けたら、このシートの失点に対して何を行うか聞きます。具体化できれば体験で試し、できなければ契約を急がず別案を比べます。候補の学校情報と、面談の比較メモは分けて保存できます。
併願校を一校追加したときの負担を見えるようにする
校数を先に決めるより、追加する一校について、次を一列ずつ埋めます。国公立・私立という区分だけでなく、具体的な方式で作ってください。
- 進学意思:合格して、ほかが不合格なら入学するか。迷う理由が教育内容・場所・費用のどれかを調べる。
- 準備の差:追加科目、形式への対応、書類、面接など、新たに必要な作業は何か。
- 日程の差:試験日だけでなく、移動、出願期限、手続期限が既存の予定と重ならないか。
- 費用の差:受験料、交通・宿泊、期限が先に来る納付金をいつ用意するか。
必要科目を満たさない、移動が成立しない、資金の見通しが立たない場合は、出願候補のまま放置せず、その条件を解消できるか確認します。準備と進学条件が合う学校を残しても、合格を保証する「滑り止め」とは呼べません。
納付金の額や返還条件は、その年度の公式案内で確認し、まだ受け取っていない奨学金を確定収入にしません。大学進学後の費用は受験中の費用と分けて整理します。
家族との相談を、追加の理由と上限の話にする
「不安だから学校を増やしたい」「あと少しだから個別指導を追加したい」だけでは、費用に上限を付けにくくなります。対策シートと一校追加の表を見せて、何を得たいか、いくらまでか、何を減らすかを話します。
次年度の受験も検討する場合は、年数が伸びれば成績も上がるとは置かず、今回と何を変えるかを同じ表で説明します。変えられる条件が見つからない場合は、別の指導案やほかの進路を含めて比較します。
不安の強さは、残りの偏差値の差から決まりません。つらさや生活の困りごとは、学習配分と別に身近な人へ伝え、必要なら相談先を利用してください。
配点表を使う際の前提
方式A・Bの計算と事例は、編集部が作成した架空の例です。実在大学の配点や難易度を示しません。実際の判断では、大学公式募集要項の年度・方式・選抜段階をそろえ、過去問の内容と合わせて使います。
過去問での失点と出願の手順まで管理したい場合は、過去問・併願・面接の準備シートへ進めます。記事の偏差値は、読むための条件ではありません。