- 答案を「未習・前提不足・解法選択・処理」に分けた棚卸し
- 次に取り組む一単元と、教材を選ぶための試し方
- 予備校へ渡せる「ここで止まる」という具体的な質問
「偏差値35から何をするか」を、一問の答案まで小さくする
医学部を目指したい。でも参考書を開くと止まる。そんなとき、合格までの壮大な計画より先に決めたいのは、今ある知識でどこまで進めて、何が足りずに止まるのかです。未習の範囲と、習ったけれど使えない範囲では、最初にすることが違います。
この記事は、偏差値35の人に共通する能力や合格までの年数を決めるものではありません。直近の答案か、使っている教材を一冊、手元に置いて進めてください。答案が白紙でも始められます。
まず「できない」を四つに分ける
模試の名前・実施日・科目をメモしたら、失点した問題のうち、今の授業や教材に関係するものを選びます。未習の問題を何度も解き直す必要はありません。下のどこに当たるか、自分で判別できない問題には「講師に見せる」と記入します。
| 止まった場所 | 答案・解説で見ること | 次の一手 |
|---|---|---|
| まだ習っていない | 授業や教材で扱った記憶がない。履修範囲にも入っていない。 | 未習一覧へ移す。前提単元と、いつ学ぶかを決める。 |
| 用語・前提が分からない | 定義、文中の語句、式変形の説明から止まる。 | その箇所に必要な教科書・前の例題へ戻る。 |
| 道具は知っているが選べない | 解説の手順は追えるが、最初の一手を自分では選べない。 | 問題のどの条件が、その解法を選ぶ手掛かりか書く。 |
| 方針の後で崩れる | 計算、符号、読み落とし、答案の書き方で止まる。 | 崩れた一行を取り出し、同じ処理を別の問題で試す。 |
白紙は、四つのどれかを示す証拠にはなりません。分からなくて書けなかったのか、時間がなくて触れなかったのかも違います。解き直すときは、問題文を読めるか、用語を説明できるか、最初の式を書けるかの順で止まる場所を探します。
教材は「一段易しい」より、止まる場所に合わせて選ぶ
たとえば数学で解説の平方完成から分からないなら、長い解説が付いた入試問題集を追加するより、その式変形を扱う教科書例題へ戻る理由があります。一方、平方完成はできるのに使う場面を選べないなら、計算を最初から繰り返すだけでは、解法を選ぶ練習が抜けます。
購入・受講前に試す三つの動作
- 説明を読む。読めない用語や飛ばされた式変形に印を付ける。多くて先へ進めないなら、その前提を扱う教材を探す。
- 閉じて書く。「なぜこの手順か」を一文にする。答えを覚えているだけなら、条件と手順の関係を説明してもらう。
- 別の類題を試す。数値や聞かれ方が変わると止まるなら、その違いを質問にする。自力で進めるなら次の例題へ進む。
これは教材選びのための編集部の提案です。一問できたことを単元全体の習得とは扱いません。まず一問で説明の相性を確かめ、別の問題でも使えるかを見て範囲を広げます。
記入例:今日やることと、今はやらないことを決める
次は実在の受験生ではない、記入方法を示す架空の例です。点数や必要時間の目標として使うものではありません。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 取り組んだ問題 | 二次関数の最大・最小。平方完成まではできた。 |
| 止まった箇所 | 定義域の端と頂点のどちらを調べるか選べなかった。 |
| 今日すること | 教科書のグラフを描き、定義域を塗る。最大・最小の候補を理由付きで挙げる。 |
| 次に確かめること | 定義域を変えた類題で、候補が変わる理由を説明する。 |
| 今は増やさないこと | この点が分からないまま、同じ単元の難問や別の問題集へ進むこと。 |
- 科目・単元・問題番号:
- 自分だけで書けたところ:
- 止まった行・分からない言葉:
- 戻って読む箇所/質問する相手:
- 次に自力で試す問題:
- 試した結果と、その次に変えること:
全科目が心配な場合も、まず一つ記入して、原因と次の行動がつながるか試します。その後、受験に必要な各科目へ広げます。一科目だけを完成させるまで他科目を止める、という計画にはしません。
予備校には「この答案なら、最初に何をしますか」と聞く
偏差値から学校名を三つ選ぶより、実際に止まった問題を持参したほうが指導の中身を比べられます。現役生なら高校の進度表、再受験なら未習範囲と仕事の予定も添えます。
| 聞くこと | 回答を受けた後の行動 |
|---|---|
| どの単元の、どの教材から始めますか? | 答案の一行と結び付くなら体験で試す。「基礎から全部」だけなら、初回の内容まで具体化してもらう。 |
| 説明の翌日、自力で解けなかったらどうしますか? | 再確認する人・機会・教材変更の方法が分かれば記録。授業追加だけの回答なら、復習の確認方法を先に聞く。 |
| 質問待ちの間は何を進められますか? | 質問できる時間と代わりに進める課題が生活に合うか試す。通えない時間だけなら別の支援も比較する。 |
体験後は「分かりやすかった」で終えず、家で解けなかった箇所を返して対応を見ます。費用、回数、担当者、教材変更、解約条件が書面でそろうまでは、受講量を確定させません。候補は地域・授業形式から探し、回答を比較メモへ残せます。
家族とは、偏差値の約束より「次の確認で何を見るか」を決める
「次は偏差値50」という目標だけでは、今週の作業が決まりません。「前回止まった式変形を説明できるか」「未習単元が予定どおり始まったか」のように、本人が見せられるものを決めます。学校の講師が学習を確認し、家族は通学・生活・費用を支える、という役割分担もできます。
長期計画の前に、最初の契約期間を具体化する
数年かける提案を受けても、期間を合格保証と扱わず、最初の契約期間の授業、復習、見直し日と総額を分けて出してもらいます。必須講習や教材を含む額が上限を超えるなら、科目数や形式を変えた見積もりを取るか、別の支援を探します。大学進学後の資金を使い切る前提にせず、受験中と進学後の資金を分けて整理します。
学習を始めることと、進路を固定することを分ける
「なぜ医師の仕事に関心があるか」と「今の生活で続けられる学習」を別々に書きます。ほかの職種にも関心があるなら、仕事内容と学ぶ内容を調べたうえで、同じ紙へ並べます。進路を広げて調べる間も、今決めた一単元の学習は進められます。進路の比較項目はこちら。
つらさや生活上の困りごとがあるときは、学習メモで一人で解決しようとせず、身近な人へ伝えてください。相談先を探したい場合は受験中の相談ガイドを利用できます。
このシートで決めるのは、合否ではなく学習の入口
棚卸し、教材の試し方、架空の記入例は編集部が作成した学習相談の道具です。取り組みの成果や合格を保証する基準ではありません。最初の単元が決まったら、受験年度の大学公式募集要項にある必要科目・出題範囲と、未習一覧を照合し、全体の予定を講師と組みます。
復習が後回しになっている場合は、次に授業と復習が回る一週間の作り方へ進んでください。偏差値が40になってから読む必要はありません。