- 同じ問題の再現・条件変更・単元が混ざった問題を別々に試す
- 初見で止まる場所に合わせ、戻る箇所と足す演習を選ぶ
- 正解数だけでなく、見たヒントと選んだ理由を残す
「基礎は終わったはず」なら、解法を選ぶ場面を調べる
問題集は何周もした。授業の解説も分かる。それでも模試の一問目で手が止まるなら、次の課題は教材の難易度だけでは決まりません。覚えた問題を再現できることと、初めて見る条件から解法を選べることを分けて確かめます。
偏差値45という数字だけで、この状態だと決めつけることはできません。この記事は「基礎を続けるか、演習へ進むか」で迷うときの判断用です。単元によって、戻る箇所と先へ進む箇所が同時にあって構いません。
四つの試し方で、必要な練習を分ける
いま使っている教材の学習済み単元から始めます。解説を見ている間の理解度を採点せず、閉じた状態の答案を残してください。初見の類題を自分で選べない場合は、講師に未習内容が混ざらない問題を選んでもらいます。
| 試すこと | 止まった場合 | 次にする練習 |
|---|---|---|
| 解いた例題を、解説なしで書く | 定義や途中の式が出ない。 | 出ない箇所だけ前提に戻り、何を使うかを説明する。 |
| 条件・数値・問われ方が変わる | 同じ手順を当てはめてよいか分からない。 | 元の問題との共通点と違いを並べ、条件と解法を結び付ける。 |
| 複数単元の問題を混ぜる | どの分野の道具を使うか選べない。 | 単元名を隠し、条件・求めるもの・使えそうな道具を先に書く。 |
| 時間を区切って答案を作る | 方針は立つが最後まで届かない。 | 読む・方針を決める・処理する時間を分けて記録する。 |
四つ全部をできるまで新しい内容を禁止する、という関門ではありません。例題は書けるのに条件変更で止まるなら、例題の周回だけでなく類題の比較を入れる。それがこの表の使い方です。
架空例:「公式は分かる」を答案で確かめる
以下は実際の指導実績ではなく、編集部が作成した学習メモの例です。
袋から玉を取り出す確率で、「取り出した玉を元に戻す」例題は解けた。「元に戻さない」という条件に変わっても、二回目に同じ割合を掛けてしまった。分数の計算はできるが、一回目の後に袋に残る玉を数えていなかった。
このメモから選ぶ次の作業は、例題をもう一度丸ごと写すことではなく、一回目に取り出した玉に応じて、残る玉の総数と内訳を書くことです。「戻す・戻さない」の条件を変えて二回目の割合を説明できれば、今回見つけた課題には対応できています。確率全体が完成した、とまでは扱いません。
英語・理科でも「何を手掛かりに選んだか」を残す
- 英語:訳を覚えた文だけが読めるなら、別の文で修飾関係を示す。内容説明の答えが出ないなら、根拠にした箇所と言い換えの関係を書く。
- 理科:式を覚えているだけなら、問題の条件からその式を使える理由と、量・単位を書き出す。条件が変わると使えない式も区別する。
正誤の横に、ヒントと判断を一行だけ残す
「正解」でも、解法名を見た後の正解と、何も見ずに選べた正解は別の記録にします。偏差値の上下とは別に、以前必要だったヒントがなくても解けるようになったかを見られます。
| 記録欄 | 書き方 |
|---|---|
| 教材・問題/既見か未見か | 答えを覚えていた場合も明記する。 |
| 最初に選んだ方針 | 正解を見る前の自分の考えを書く。 |
| その方針を選んだ条件 | 問題文の語句・数値・図の関係など。 |
| 見たヒント/止まった箇所 | 「解説を見た」より、最初の式・解法名など具体的に。 |
| 次に変えて試すこと | 条件を変える、単元名を隠す、時間を測る、前提へ戻る。 |
記録のために勉強が進まなくなるなら、全部の問題に書かず、判断に迷った問題へ絞ります。同じ問題の解き直しだけで自信が付いたときこそ、未見の問題を混ぜて、覚えた答えへの依存がないかを見ます。
予備校を選ぶなら「解説の後」を体験する
「演習量を増やす」という提案を受けたら、何を変えるための演習かを聞きます。問題数の比較だけでは、いま止まっている場所への支援かどうかが分かりません。
- 自分の答案を見てもらう。「定義」「方針選択」「処理」のどこが課題か、答案の箇所を指して説明してもらう。
- 条件の違う問題を解く。体験中の説明を、そのまま再現するだけで済まない問題を依頼する。
- 解けなかった後の対応を見る。すぐ正解を教えるのか、考えた条件を聞いて戻る箇所を示すのかを記録する。
- 次の確認まで決める。持ち帰る問題、提出先、返答の時期が自分の時間割に入るかを見る。
「基礎不足」という説明でも、戻る単元が具体的なら試せます。すでにできる範囲を含む大量の課題だけが出るなら、今回の答案に必要な範囲を指定してもらってから受講を判断します。体験授業の比較メモには、感想に加えてこの回答を残してください。
追加講座は、足す作業と外す作業を一組にする
追加指導で類題の選定と答案への返答が得られるなら、それを既存の自習枠へどう組むか考えます。復習する時間がなくなるなら、ほかの課題を減らす案も必要です。費用は回数・期間・必須教材を含めて確認し、今の学校で同じ支援が受けられる場合は、まず担当者へ相談できます。
「基礎が終わらない」を家族との行き詰まりにしない
家族に伝える内容は「まだ基礎です」だけでなく、「例題は解けるが、単元が混ざると方針を選べない。次は混ぜた問題で理由を書く」に変えられます。次の面談では、前回と今回の答案を並べ、変わった箇所と残る課題を見てもらいます。
一方、学習済み範囲の改善だけで、未習範囲や出願条件を隠さないようにします。受験日までの予定に入りきらない内容が残るなら、志望方式、進学時期、他の進路も含めて比較します。「基礎を終えれば必ず間に合う」という約束にはしません。
記録を付けること自体が負担になっているなら、量を減らし講師と一緒に付ける方法もあります。つらさや生活の困りごとを学力だけの問題にせず、必要に応じて相談先へつないでください。
この判定表で分かること・分からないこと
四つの試し方と記録表は、編集部が整理した学習相談の提案です。合格を予測する検査や、全員に共通する進級基準ではありません。実際の入試形式や必要範囲は、受験年度の大学公式募集要項と公表された過去問で照合します。
一週間に類題を試す枠がない場合は復習まで入れた時間割へ。科目ごとの失点が見え、次にどこへ時間を使うか迷う場合は配点と弱点から学習配分を決めるシートへ進めます。