合格率と対策
- 全国合格率:新卒90%超・既卒60-70%・全体平均90%前後
- 大学別差:東大医・順天堂医・自治医大 99% vs 川崎医・東京女子医 85%
- 試験構成:3日間500問。必修160点以上+一般+臨床7割+禁忌肢3つ未満
- 対策期間:5年生後半から本格化、総学習時間1,500-2,500時間
- 国試予備校:メック・テコム・MACの3大予備校、20-50万円
- 国試浪人率:60-70%(ストレートより大幅低)
結論:医師国家試験は「6年間の集大成」。大学別合格率と進級厳しさを併せて見る
医師国家試験(国試)は、医学部受験生にとって「医学部合格後のゴール」として意識すべき試験です。全国合格率90%前後と一見高く見えますが、大学別・新卒/既卒で大きな差があり、東大医・順天堂医・自治医大の99% vs 川崎医・東京女子医の85%と14ポイントの開きがあります。
本記事では、医師国家試験の全国合格率・大学別ランキング・試験構成・対策スケジュール・国試予備校選び・国試浪人の現実・卒後キャリアまで体系整理。医学部受験段階で「卒業しやすさ」「国試合格しやすさ」を大学選びの考慮要素として認識する材料を提供します。
現場で見てきた中で、医師国家試験を一発合格する医学部生に共通するのは「5年生後半から計画的に対策を開始」「メック/テコム/MACの予備校動画を活用」「同級生との学習グループ参加」の3点でした。逆に苦戦するのは6年生になってから慌てて始めるパターンや、自分一人で抱え込むパターン。受験の医学部入試より長期戦の試験だと認識して、計画的に取り組むことが鉄則です。
医師国家試験 全国合格率の推移
直近5年の全国データ
- 第118回(2024年):新卒94.6%・既卒66.4%・全体91.8%
- 第117回(2023年):新卒95.0%・既卒61.5%・全体91.6%
- 第116回(2022年):新卒95.0%・既卒61.7%・全体91.7%
- 第115回(2021年):新卒94.3%・既卒49.8%・全体91.4%
- 第114回(2020年):新卒95.5%・既卒65.4%・全体92.0%
注意:合格率は厚生労働省公表データ。新卒(6年で卒業して受験)と既卒(過去に不合格 or 卒業遅延)の差が20-30ポイントあることに注目してください。
合格率から見える3つの現実
- ① 新卒は9割合格:ストレート卒業すれば9割以上が合格する
- ② 既卒は厳しい:1度落ちると合格率が60%台に急落
- ③ 大学差大:同じ「医師国家試験」でも、卒業大学で合格率が10-15ポイント違う
大学別合格率ランキング(新卒・参考目安)
直近の医師国家試験合格率を大学別に整理(公表データの目安、年度により変動):
最上位(合格率97-99%)
- 東京大学医学部・京都大学医学部・大阪大学医学部
- 自治医科大学・産業医科大学
- 順天堂大学医学部・慶應義塾大学医学部
- 名古屋大学医学部・東京医科歯科大学
上位(合格率94-97%)
- 東京慈恵会医科大学・日本医科大学
- 大阪医科薬科大学・関西医科大学
- 多くの地方国立医
- 東邦大学医学部・近畿大学医学部
中位(合格率90-94%)
- 東京医科大学・昭和大学・聖マリアンナ医科大学
- 東海大学医学部・杏林大学
- 愛知医科大学・藤田医科大学・兵庫医科大学
下位(合格率85-90%)
- 東京女子医科大学・川崎医科大学
- 埼玉医科大学・北里大学
- 金沢医科大学・久留米大学
重要な注意:合格率が低い大学が「悪い」とは限りません。「進級が緩い → 6年生で受験する学生のスキルにばらつき → 合格率低下」のケースもあり。医学部 留年 記事のストレート卒業率と併せて見る必要があります。
試験構成と合格基準
試験の構成
- 試験日数:3日間(2月上旬の土日月)
- 問題数:計500問(5択マークシート式)
- 問題分類:①必修問題(200点) ②一般問題(300点) ③臨床実地問題(300点)
- 試験範囲:基礎医学+臨床医学+公衆衛生+医療倫理+医療法規等の全範囲
合格基準(3つの条件すべて満たす必要)
- ① 必修160点以上(絶対基準):200点満点の80%以上。1問でも8割未満だと即不合格
- ② 一般+臨床が約7割以上(相対基準):年度により合格ライン変動、合計600点中420-430点目安
- ③ 禁忌肢が3つ未満:医学倫理に反する選択肢(差別・命の選別容認等)を選んでいない
禁忌肢の存在
医師国家試験の特殊な点は「禁忌肢」の存在。各問題に1つ含まれ得る「医師として絶対に選んではいけない選択肢」を3つ以上選ぶと、他の点数が満点でも不合格になる仕組み。差別的記述・命の選別容認・患者軽視等が典型。
対策スケジュール:5年生〜6年生
5年生(CBT/OSCE後〜)
- 4-7月:CBT/OSCE合格確認、国試予備校(メック・テコム・MAC)の動画講座開始
- 8-12月:基礎医学・臨床医学の総復習、過去問演習スタート
- 1-3月:臨床実習の活用、症例ベースの学習
- 月平均学習時間:50-100時間
6年生(受験年)
- 4-6月:国試予備校の総まとめ講座開始、過去問5年分1周目
- 7-9月:夏期講習集中、過去問5年分2周目+苦手分野の徹底
- 10-11月:模擬試験(メック・テコム・MAC共通模試)、弱点の最終確認
- 12-1月:過去問5年分3周目+各大学卒業試験対策
- 2月:本番(2月上旬の土日月)
- 月平均学習時間:前半 150-200時間/後半 250-350時間
総学習時間の目安
- 余裕の合格:2,000-2,500時間
- 合格者標準:1,500-2,000時間
- ぎりぎり合格:1,000-1,500時間
- 不合格リスク:1,000時間未満
国試予備校3社の特徴
① メック(MEC)
- 特徴:受講生数最大、動画講座の幅広さ・体系性で定番
- 講師陣:有名講師(多くの医学生が「メック頼り」になる程の影響力)
- 費用:パッケージ30-50万円程度
- 向く人:基礎から体系的に学びたい・大学の同級生とメックを共有したい
② テコム(TECOM)
- 特徴:過去問データベースの精度高、地方医学部での採用多
- 講師陣:過去問徹底解析型のアプローチ
- 費用:パッケージ25-40万円程度
- 向く人:過去問演習中心の学習スタイル・短期で詰め込みたい
③ MAC
- 特徴:関西圏での実績、コスパ重視
- 講師陣:関西圏医学部出身の講師多
- 費用:パッケージ20-30万円程度
- 向く人:費用を抑えたい・関西圏医学部生
選び方:多くの医学生は5年生後半〜6年生でメックorテコムをメイン、補助としてMACも併用するパターン。大学の生協で割引パッケージを取り扱う場合もあり、確認推奨。
国試浪人の現実
国試浪人率と合格率
- 国試浪人(既卒)合格率:60-70%(新卒の94-95%に対し大幅低下)
- 2浪以上:50%以下に更に低下する傾向
- 原因:①学習リズム崩壊②自宅学習でモチベ維持困難③同期と差つくプレッシャー④経済的負担
国試浪人になった場合の対応
- 即座に予備校通学(動画ではなく対面/オンライン双方向)
- 学習リズムを6年生時代と同等以上に再構築(月250-350時間)
- 家族との定期連絡で孤立予防
- 同じ国試浪人生との学習グループ参加
- 翌年合格を最終ラインに(2浪以上は合格率急落)
詳細なメンタルケアは 医学部受験のメンタル も参照(受験うつのサイン・相談窓口)。
あなたの状況別ガイド:今すぐやるべきこと
📘 医学部受験生・志望校選定中
今すぐやるべき3つ:
- 志望校の国試合格率を公表データで確認(厚労省・大学公式)
- ストレート卒業率と国試合格率を併せて見る(医学部 留年 参照)
- 「入りやすさ × 進級しやすさ × 国試合格しやすさ」の3軸で志望校を絞る
📕 医学部1〜4年生
今すぐやるべき3つ:
- 毎学年の試験で「7割以上」を意識(CBTに向けた基礎構築)
- 5年生CBT/OSCE対策を4年生後半から開始
- 同級生との学習グループに参加
📙 医学部5〜6年生
今すぐやるべき3つ:
- 国試予備校(メック/テコム/MAC)を1社決めて受講開始
- 過去問5年分の進捗管理(6年生4月までに1周目完了)
- 模擬試験を必ず受験(メック・テコム・MAC共通模試で自分の位置確認)
📕 国試浪人になってしまった方
今すぐやるべき3つ:
- 即座に予備校通学(対面/オンライン双方向)
- 学習リズムを6年生時代以上に再構築
- 家族・同じ立場の仲間と定期連絡で孤立予防
📙 受験生の保護者
今すぐやるべき3つ:
- 志望校の国試合格率を一緒に確認(卒業しやすさの判断材料)
- 「国試合格率が高い大学=入学後の負担も大きい場合あり」を理解
- 家計試算に国試予備校費(20-50万円)も含める
国試合格後のキャリアパス
初期臨床研修(2年間)
- マッチング制度で全国約1,000病院から選択
- 大学病院系・市中病院系・地方病院系の3類型
- 初年度年収400-500万円程度
- 研修先で「専門医研修先」も決まる場合多い
専門医研修(3-5年)
- 診療科(内科・外科・小児科等)を選択
- 専門医試験合格で「専門医」資格取得
- 診療科による年収・働き方の差が大きい
専門医取得後のキャリア
- 病院勤務医(中堅以上):年収1,200-2,500万円
- 開業医:年収2,000-5,000万円(地域・診療科による)
- 大学院進学(研究医):博士号取得 → 大学教員・研究機関
- 産業医・公衆衛生医:年収1,000-1,500万円、安定勤務
- 医療系企業(製薬・コンサル):年収800-2,000万円
入学後を見据えた医学部予備校3校

京都医塾
担任制で基礎学力を徹底し、医学部入学後の国試対策にも対応できる学習習慣を形成。基礎医学・臨床医学の理解を支える学力ベースを作る。

メディカルラボ
1対1個別で学習方法(暗記→理解中心)の根本改善。受験時代の癖を矯正することで、医学部入学後の専門課程や国試対策にも対応できる学習スタイルを形成。

駿台医系専門
難関国立医の合格実績多数。難関大は国試合格率も99%前後と高く、入学後の対策にも有利な学力ベース。
保護者向け:受験段階で国試を意識
保護者として大切なのは「医学部合格=ゴール」ではなく「医師資格取得まで6年+α」と認識すること。志望校選びで「入りやすさ」だけでなく「進級しやすさ」「国試合格率」も併せて検討。家計試算に国試予備校費(20-50万円)も含めるべき。
医師国家試験で陥りがちな3つの罠
「9割合格」で油断
新卒の9割合格は計画的な対策の結果。何もしないで合格する試験ではない。1,500-2,500時間の学習時間が必要。
「合格率の高い大学=楽な大学」と誤解
合格率が高い大学は「進級が厳しくて卒業できる学生が絞られる」場合も。入学後の負担も併せて見る。
国試浪人を軽視
既卒の合格率は60-70%と急落。一発合格が圧倒的に有利。6年生は他のことを犠牲にしても国試対策に集中。
監修者からのコメント
医師国家試験は、医学部受験生にとって「医学部合格後の最終ゴール」です。私が現場で見てきた合格者の共通点は3つ:「5年生後半から計画的に対策を開始」「メック/テコム/MACの予備校動画を活用」「同級生との学習グループ参加」。
逆に苦戦するのは「9割合格で油断」「6年生になってから慌てて始める」「自分一人で抱え込む」というパターン。1,500-2,500時間の総学習時間が必要な大型試験です。受験段階から「医師資格取得まで6年+α」を見据えた大学選びと学習習慣を作ってください。
よくある質問
医師国家試験の合格率はどれくらい?
大学別の合格率はどう違う?
医師国家試験の試験構成は?
医師国家試験の対策はいつから始める?
国試予備校はどこがいい?
国試浪人の現実は?
国試合格率の低い大学は避けるべき?
国試合格後のキャリアパスは?
国試対策まで見据えた予備校資料を取り寄せる
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